インタビュー第八回目 浅岡 良彦さん
エココン立ち上げの仕掛け人!当時のお話を聞かせていただきました!
プロフィール
| お名前 | 浅岡 良彦(あさおか よしひこ) |
|---|---|
| 略歴 | 株式会社ユーグレナ マーケティング本部 営業グループリーダー 第1回 エココン 創設メンバー&学生代表 学生時代は慶應義塾大学の環境サークルに所属して、エコ・リーグ※1や他の活動にもよく顔を出していた。 そもそも環境問題に興味を持ち始めたきっかけは、小学生のときにザリガニやカエルを取りに行っていた近所の沼が、ある日突然立ち入り禁止になって、目の前で重機が埋め立て作業を始めている・・・、その光景に凄い衝撃を受けた。「これは何か間違ってる!」、そう思ったことです。 |
※1:エコ・リーグ・・・エココンの共催団体。青年環境活動の活性化を目指す環境NGO。http://el.eco-2000.net/
インタビュー
イベントの立ち上げについて
Q:エココンを始めたきっかけは何ですか?
浅岡―ダイナックスという会社でアルバイトをしていた時に、(ダイナックスの)佐藤さんという人から「企業(東京電力)が学生達と会って話をしたいそうだから、熱い学生を集めてくれないかな?」と言われてミーティングを開いたんだ。ミーティングを開いた結果、「学生の活動を社会に発信して評価する場を設けてみるのはどうでしょうか」という提案を企業側からもらった。そして、学生からも「色々活動しているのに発信する場がない」という意見があった。それと、「自分達としては良い事をしているつもりだけど、それが社会的にはどう思われているのか知りたい」っていう思いもあったんだ。正直、個人的にもそういう場は欲しかったので、ミーティングの時は開催の方向へ話題を誘導してたなぁ(笑)
環境活動って自己満足だけじゃダメで、現状を分析して、原因をもっと考えてやっていかなきゃいけないっていう意識も強かったね。

エココン審査委員の浅岡さん(写真左)
Q:エココンを立ち上げたときに一番苦労したことは何ですか?
浅岡―知名度が低い(無い)事だね。当然だけど、環境意識の高い学生達が集まる「ギャザリング」っていうイベントに行って、「エココン知ってますか?」って聞いても誰も知らない。だから、魅力を伝えることがすごく難しかった。とにかく、「知る・理解する・行動する」っていう3つのステップを踏んでいくしかなかった。
まず、コンテストをやるってことを知ってもらう。次に、そこで興味を示してくれた人にイベント内容を理解してもらう。そこで「へ〜、面白そうだね」で終わらせるんじゃなくて、「面白いから来てよ。来ようよ。」って行動を後押しする。その3つのステップを1から始めるのが大変だった。とはいえ、だんだん知らない人に説明するのにも慣れていくから、うまく伝わるよう言葉も変えていったりもしたね。
Q:やはり広報に1番始めに力を入れたということですか?
浅岡―もちろん今とは違って知名度もないので広報には力を入れていたけど、エココンをどんなものにしていくかといった全体像(グラウンド・デザイン)を描く作業、そして企画の方針や内容といった細部を詰めていく作業も大変だったね。「川の日ワークショップ※2」とか、参考になりそうなイベントには積極的に参加して企画を詰めていったな。
※2:全国から「いい川・いい川づくり」に関する取り組みが集まるコンテスト形式のイベント。東京では毎年7月に開催。エココンの企画を作る際に参考にさせていただいた。http://www.mizukan.or.jp/kawanohi/kawanohi.htm
Q:イベント運営の手順は?うまくいくためのアドバイスがあれば、教えてください!
浅岡―エココンの前にいろいろな環境活動に参加したこと、イベントをこなしてきたことなど、今までの経験は全て大きな糧になっていたと思う。エココンも含めいろいろ活動をやってきて思ったことは、『何か新たな活動を始めるときは、自分を含めて3人集める!3人いれば何でも始められる!』ってことかな。
まず、コアになる企画や活動への想いを代表となる人がしっかりと持って、それに賛同してくれた人を2人集める。3人より多くなりすぎると議論がまとまりにくくなってくるし、少ないとアイデアの行き詰まりを打破することが難しくなって来て、思考も内へ内へ・・・と狭まってしまうよね。コアになる人が、責任を持つことに対して腹をくくって、他の2人がサポートする…これが一番バランスがいいんじゃないかな。もちろん大人数でもいいんだけど、逆に難しくなったりするんだよね。
次に、企画を細部まで詰めると同時に、協力者を募ることが大切。これが欠かせない。大学とか、行政、企業など、外部団体にどんどんアプローチしていく。外部の協力者、特に年上の社会人の場合、全然違う視点からアドバイスをくれるし、自分たちの知らないネットワークを紹介してもらえることもあるんだよね。だから、できるだけすぐに外部に協力を募ったほうがいいと思う。その過程でもし企画が詰まっていなくても、年上の人は可愛がってくれてアドバイスをくれるしね。特に、公的なところや大企業が後援につくと、イベント自体の信用度も上がるし、一気にハクがついて人集めや広報が楽になることもある。あと、大学に後援に付いてもらえると、企業が協力する敷居も低くなる。もちろん、そういう段階に行くまでには、自分たちの頭の中にあるアイデアをある程度まで落とし込んでおく必要がある。つまり、ある程度は企画も固まっている必要があるということです。
企画については、大人数で決めるのもいいけど、5〜6人のチームで決めた方がやはり早いね。企画自体が決まって、大きく動かす段階で人がたくさんいればいい。あと、ビジョンや方向性は常に確認するようにした方がいい。それが自分たちの活動の幹となるものだから、迷った時に根本に立ち戻れるようにしておくと、本来の目的からブレないで活動できる。
それと、広報では、メンバーの中でツテの多い人を使っちゃってください(笑)
Q:やっぱり、ツテって大事ですよね。
浅岡―そうそう、ツテのある人を早期に巻き込めるとだいぶ違うね。広報はもちろん、スタッフ集めの時にも大活躍してくれる。また、ツテのある人は「それをやるんだったら、○○さん(君)がいいよ」とか、同じような(ツテのある)人を紹介してくれる。
それに、そういう人は、人が集まるイベントに行くのが大好きだったりするから、そこで出会った人達に「実は私、こういうことやってるんだけど・・・」と話して(宣伝して)くれたりする。だから、なおさら効果が大きい(笑)
個人的には企画の中身より、広報の方に力を注いでほしいかな。いくらいいもの作ったとしても、参加者10人とかじゃ寂しいからね。それくらいなら、本当にどうしようもない企画のまま100人くらい集まってしまって、バッシング大会になった方が、学生時代にはいい経験になるからね。その結果、参加者満足度がすごく低かったとしても、負け体験としていい教訓になるから、絶対に次に繋がる。もちろん、リスクは大きいけどね。
社会人になって思うこと
タイプの違う活動にどんどん参加してみると良い
Q:学生時代を振り返って、やって良かったと思う活動は何ですか?
浅岡―俺は自分の学生時代の活動に満足しちゃってるんだよね(笑)まぁ、その中で特にやっておいて良かったと思うのは、自分の性格もあるんだろうけど、ゼロから作る第1回系のイベントにいくつか関われたことかな。自分として得られるモノが多かったのは、継続していて歴史のあるイベントよりも、第1回系の初めてやるイベントだったね。

手作り感あふれる第1回のエココン
Q:それは社会人になってからも思いますか?
浅岡―社会人になってからも思うね。俺は今ベンチャーにいるから、なおさらそういう考え方が強いのかもしれない。でも学生時代に両方やっておいて良かった。やっぱり実際に体験してみないと分からないと思うよ。
Q:自分がどっちに向いているか分からないから、それを判断するために色んな活動に参加してみると良いよっていうことですか?
浅岡―そうそう、うまくまとめてくれたね、その通りです(笑)
その両方のエッジ(端)を見て欲しいんだ。つまり、両端をどんどん広げることで、自分の中の幅をできる限り広げて欲しい。例えば、今エココンをやっているとしたら、今度は音楽系のイベントとか、ライブとか。自分のエッジを広げそうな活動にあえて飛び込んでみて欲しいかな。そうすることで、自分の幅を広げることが出来るし、両方を見て比較対象を作ることは、絶対評価を相対評価にすることにもつながる。色々なことをやってみるのはいいことだと思う。自分の活動を話してみよう!そして評価を受けてみて欲しい
Q:今の学生の環境活動とかいろいろな活動に対して、社会人として思うことがあればお願いします。
浅岡―まぁ、簡単に言えば、やりたいことをやってくれって感じかな(笑)だって、何がやりたいか分からなくて大学に来てる人達もたくさんいるわけだし、何か活動している時点ですごくいいことだと思う。だからどんどんやって下さい。
ただ、それを自己満足に陥らせないために、いろんな人に自分のやっていることを話したりして、対外的な評価を受けてみてほしい。まずは親でもいい。結構カチンとくることを言われることもあるけど、それはそれで、そういう見方もあるっていうことが分かるからね。人によっては、「ボランティアなんてやっても意味がない」なんて言うこともあるし、「偽善でしょ」って言う人もいる。逆に、褒めてくれる人もいる。
俺の場合、異分野で活動してる人達からの評価や意見が新鮮だったね。特に芸術分野の人、例えば劇団やったり映像撮ってる人の評価って言うのは面白かったね。違う視点からコメントしてくれるから、「ああ、そんな見方もあるんだ」と感心することが多かった。
他にも気になることを聞いちゃいました
魅力は言葉より態度で示せ!
Q:自分の活動の魅力を伝えるにはどうしたらいいですか?
浅岡―良い意味で、もう頑張って伝えようとするのは止めた(笑)大学1・2年の頃は頑張っていたんだけど、いちいち伝えるのが面倒臭くなったんだ(笑)
「なんで、あいつあんなに生き生きしてるんだろう、キラキラしてるんだろう」って思わせた方が、人は興味を持ってくれると思うんだよね。だから、変に魅力を伝えようと無理するんじゃなくて、自分が良いと思う方向に背中見せて突っ走っていけばいいんだよ。そうすれば追ってこようとするから。恋愛とかもよくそうだっていうじゃん(笑)
自分のしていることに自信を持って、「私のやってることはこんなに楽しいんだ」っていうのを見せつければいい。
ひとつ凄い例がある。学生時代の友達に演劇をやっていた男がいて、そいつがメチャクチャだった(笑)そいつと久々に会った時に、エココンが新聞に載った話とかをしたら、「お前やばいな・・・。俺は何もやってない、できてないな・・・。うん、決めたっ、俺も何かやる!」とか急に決心して、とりあえず、その場は別れたんだ。数日後、電話してきたと思ったら、開口一番、「俺、サークルも劇団も全部辞めてきた!俺、3ヶ月後に新宿のスタジオアルタ借り切ってイベントやるから。絶対来いよ!」って言い出した。けど、よく聞くと「お金も仲間もツテもない」って言うんだよ(笑)それでも、そいつは「何もなくても俺はやる」って言って聞かなかった。そしたら3ヶ月後、2日間アルタで合計600人動員して、イベントをやっちゃいました。で、その後そいつはマスコミ系の企業を志望して、結局、第一志望のTV局に入った。刺激を受けたきっかけがエココンと自分達であったとはいえ、よくもまぁ、あれだけ短期間でこんな凄いことを成し遂げちゃうよね。けど、ここで一つ言えるのは、きっと、そんな彼から刺激を受けた人もたくさんいるはずということ。
やっぱり、言葉でいうより態度で示すほうが大事だよ。情熱やエネルギー、生き生きやキラキラしている感じは伝播するものだと思うんだ。
Q:ありがとうございます!今のすごく刺激を受けました!
浅岡―この話から学べることって、たくさんあるよね。それは、「人と同じことをしていたら、人と同じものしか得られない」ということ。同じような人にしかなれない。逆に、みんなが人と違うことをやりたい、違う人になりたいと思ったら、人と違うことをやらなきゃダメだよ。例えば、就職活動においてもそうで、「誰もが入りたい有名企業にいきたい」って思っているのに、みんなと同じことばかりやっていたら、本当にもったいない。ライバルもたくさんいるし。クレイジーな結果を得たい、人と違うものを得たいと思ったのなら、少しでも違う方法を試して欲しいな。
もちろん、急に海外放浪の旅に出ろ、とか言っているわけではないからね(笑)日常生活を振り返ってみても、少しずつ違うことってできるはずなんだ。その積み重ねだと思うよ。
モチベーションの源は『仲間』
Q:ありがとうございます!あと、気になるのですが浅岡さんが行動を起こそうっていう、行動力の源は何ですか?
浅岡―モチベーションのこと、本当によく聞かれるねー。源って…俺は、ただやりたいことをやっているだけだからね。でも、敢えて言うなら、モチベーションの高い仲間に出会えたことかな。彼らと一緒に活動するだけで、モチベーションが上がるんだ。
やる気だけだと『けがれ』しちゃう。人間って日常生活を送っていると、『けがれ』しちゃうんだよ。『気』が『枯れる』で『気枯れ』ね。その『気枯れ』から抜け出すために、昔の人は何やったかって言うと、非日常の空間を作った。今で言うお祭りや催事のことだね。そこから『気』を充填していたんだ。これ、大学の授業の受け売りだけど・・・(笑)要するに、俺の場合は、モチベーションが異常に高い変な人達と会うことで、気枯れから抜け出せるんだよね。
あとは、モチベーションの高い人のとこに一緒に付いていって、その人を真似ることが大事。人には「浸透圧」があって、自分の目標になるような人と一緒にいると、だんだんその人に似てくるんだよ。人間って、「環境」と「機会」によってだいぶ変わるから、それがあると思えるところに是非行って欲しいな。
Q:浅岡さんが今考えていて、やりたいこと、今後の目標、エココンで学んだもので生かされていることが何かあれば教えてください。
浅岡―やりたいことは、今仕事でチャレンジしていることを実現することだね。「ユーグレナ」っていう微生物がいて、この微生物はCO2を固定できるし、栄養もたっぷり。だから、例えば、発展途上国の発電所の隣にユーグレナを培養するプラントをつくれば、発電所から出るCO2を吸って、相殺してくれる。それを燃料にすれば、結果的にCO2の総量を増やさないで済む。また、食料品にして食べれば、ビタミンたっぷりだから、栄養失調で苦しむ人々を助けることができる。食料問題と環境問題を同時に改善できる。これを30歳くらいまでに発展途上国でやりたい!トライアルでもいいから、本当にこれをやりたい!
発展途上国への支援は、今まで多くが寄付一辺倒だったのが問題だと思うんだ。やっぱり彼ら自身が自立しないと、その地域の社会が自立するってことはないんだよね。海外だと「ノーベル平和賞」を受賞したグラミン銀行のムハマド・ユヌスさん、国内だと『ビッグ・イシュー』とかが、正に貧困層の自立を目的として活動をしている。
俺も彼らみたいに、しっかりとした事業感覚を持って、社会問題に、特に環境問題に切り込みたいって思う。「事業手法を活用して社会問題に切り込む」、これをテーマに、エココンスタッフ卒業生の一人として、これからも社会に風穴を開けていきたい。一足先に頑張るよ!
全国大学生環境活動コンテスト実行委員会事務局
- 担当:渡邉(わたなべ)・津賀(つが)
- tel: 03-3580-8284
- e-mail: support@ecocon.info

