インタビュー第四回目
日野市クリーンセンター、環境情報センターかわせみ館
エコスタの社会科見学体験記として日野市クリーンセンター、環境情報センターかわせみ館を見学しながら ゴミゼロ推進課の山本さん、小林さん、かわせみ館の青木さん、杉浦さん、芹沢さんにお話を伺ってきました!!
インタビューにご協力して頂いたみなさん
- 小林クリーンセンター長さん:日野市環境共生部クリーンセンター・センター長
環境とかごみのことの前進を図るとき、1人が100歩進むよりも、100人が1歩進む方が大切。 - 山本さん:日野市ごみゼロ推進課
- 青木さん:環境情報センターかわせみ館
- 杉浦さん:環境情報センターかわせみ館
- 芹沢さん:環境情報センターかわせみ館
インタビュー
ところで、クリーンセンターって何!?
クリーンセンターは日野市の一般ごみの中間処理場。※1
集まった可燃ごみは焼却、不燃ごみは粉砕・分別します。(=中間処理) かん、びんや、段ボール、ペットボトルなどリサイクル可能なものは、 分別、そして圧縮・梱包し、再生利用できるようにします。
クリーンセンターで焼却・粉砕されると、ごみの重量は90%に減少します。 そして、東京都日の出町にある二ツ塚最終処分場へと向かい、埋め立てられるのです。
※1日野市クリーンセンター 詳しくはこちらhttp://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/13,0,34,47,html
10.000トンのダイエット、しかもリバウンドしません
ところが、この二ツ塚最終処分場・・・ 当初の計画では、このままのペースでごみを埋め立て続けると、あと6年で埋め立て地がなくなってしまうことが数年前にわかっています。
平成12年、日野市は『ごみ改革』に乗り出しました。 当時の日野市は、不燃ごみ量・リサイクル率ともに多摩地区でワースト1だったのです。
ごみ袋を有料化。 そして、24時間いつでもごみが出せた蓋付きのダストボックスを廃止。 各自、自分の家の前に市指定の有料ごみ袋に入れて、ごみを出してもらうことにしました。
その結果、ごみの量は半分にまで減少しました。
改革成功は、市民の方々の大きな協力があってこそ。 その背景には、ごみ改革に関する説明会が600回以上開かれたり、 家の前にごみを出すことで、ごみに対する意識が強くなったりしたという秘密も隠れています。
さらに、他地域と比べて値段が高いごみ袋もポイント。 ごみ袋を有料化すると、一旦ごみが減るものの、また徐々に増えて元に戻ってしまう「リバウンド」が起こったりもするのですが、日野市では起こりませんでした。
ごみ袋の値段が高いから、有料であるということに慣れてごみが増えたりしません。
ゴミの中間処理場=教育の現場
この状態を維持、そしてよりよくしていくためのキーとなるのが「子ども」です。 クリーンセンターには毎年約2000人の見学者が訪れます。普通の社会科見学とちょっと違うのは、見学前に 「ごみを減らすためにはどうしたらいいか?」という問題が出されること。そして、焼却炉やコントロール室を見学したり、 手作業でごみの分別を行っているのを見学、実際に体験したりします。機会の音がうるさい!ごみがたまらなくくさい!・・・そんな現実に直面です。
見学後は、出された問題の答えを考えます。
可燃ごみは、食べ残しをなくすことで減らせる。
不燃ごみは、レジ袋を使わないことで減らせる。
「レジ袋はごみになるので要りません!」そんな台詞をみんなで練習したりもします。 スーパーで、子どもがこの台詞を使ってレジ袋を断っていたら、 それを聞いた大人も刺激されるはず・・・
子ども発で、友だちへ、親へ、大人へと広がっていくことを目指しているそうです。
そして、見学終了、後日・・・
出前授業を行い、振り返りや発展的な学習をしたり、 素敵な取り組みはごみシンポジウムで紹介したりもしています。
クリーンセンターは、ごみを中間処理するだけではなく、環境教育の現場でもあります。
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ボロボロの裏紙でつくった出張授業の道具
「ものを大切にしよう」というメッセージが込められています
名前で見えてくる意識の変化
私たちを案内してくださった山本さんが働いているのは、日野市環境共生部「ごみゼロ推進課」というところ。実は、このごみゼロ推進課、昔はサービス課と呼ばれていたそうです。 サービス課→リサイクル課→リサイクル推進課→ごみゼロ推進課 という変遷からは、意識の変化が読み取れる、とのこと。
ひとつは、ごみ処理の主体が「行政」から「市民」になったというもの。 行政が提供する「サービス」であったものが、行政が「推進」し市民が実現する「ごみゼロ」になったのです。 そしてもう一つは、「リサイクル」から「ごみゼロ」になったというもの。 リサイクルにはエネルギーもお金もかかる・・・埋め立て地を今後も活用し、 ごみとうまく付き合って行くには、リサイクルよりもごみや資源物を減らすことが大切だというわけです。
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昔むかしのごみ箱。
こんな小さなごみ箱で足りる時代があったということ。
「環境やごみのことの前進を図るとき、 1人が100歩進むよりも、100人が1歩進む方が大切」 そして、まずは、その一歩を踏み出して・・・ そんなメッセージを頂き、私たちは環境情報センターかわせみ館へと向かいました。
さてさて、かわせみ館って何!?
かわせみ館は、環境情報の収集や環境学習の情報提供・実施などを行っている施設です。※2
日野市の環境基本計画に提案された市民の意見がきっかけとなり、市民公募した愛称「かわせみ館」の名前で、2005年の7月にオープンしました。“成長する情報センター”として、市民、民間団体、事業者、市による協働で施設運営をしています。
かわせみ館のHPはコチラhttp://www.hinocatv.ne.jp/~kankyo/index.html
環境問題に詳しい職員の方も常駐!様々な機関の作った報告書等資料も揃っています。 また、環境活動中の団体などに無料で会議室を提供したりしています。
資料の中には昭和50年に日野市が作った日野市の「植物ガイドブック」や「植生図」も! 植物ガイドブックは、市民から提案され、専門機関ではなく、地域で活動をしている「自然をまもる会」という団体にお願いして日野市が作ったもの。
「植物を分類する=図鑑」といったイメージを壊して、 生態系から入ったこのガイドブックは、身近に感じられ、内容も充実しています。 植生図には、ある地域が人為的改変を咥えなければ本来どのような植物があるかを推定して作る「潜在植生図」や、今生えている植物が一般的にどのような地域に生えるのかも載っています。
植物をどういった形で保全していけばいいのか、昭和50年代のヒントが詰まっているのです! これらの資料は、市民の力で出来たので、値段ももちろん安いのですが、冊数が少なく、 需要はあるものの増刷する経済力はなく、現在、入手困難な状況だそうです。
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でも[かわせみ館」にはあります
その他にも、施設の片隅にはカブトムシが飼育されていたり・・・ 窓には緑のカーテンが掛かっていたりします。
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給食の残りを肥料にしたりして、ヘチマやアサガオなどを壁面で育てています。
まるで緑のカーテンのよう
壁は、奥多摩の間伐材※3を使って補強。とても良い匂いです。
※2 詳しくはhttp://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/13,0,34,1638,html をどうぞ
※3 間伐材 木が育ちやすいように、適度に木を切って林木の密度を調整する際に、発生する材木
かわせみ館が、市民団体と協働の拠点になれば・・・ とのお話ですが、まだまだ課題は多いそうです。
卒論を書いている人、サークルの会議で使える部屋が欲しい人、注目
例えば、かわせみ館では、学習会など様々なイベントを催していますが、 イベントを知ってもらうのも一筋縄にはいきません。 市の広報紙を使い、参加を呼びかけたところ、参加者が一人しか集まらなかったことも過去にあったそうです。
現在は、図書館や小学校、児童館等をまわり、イベントがあることを告知したりもします。 卒論を書いている人にも役立ちそうな資料がかわせみ館にあったり、 無料で会議室も使えたりするのですが、それもまだまだ伝えられていないそうです。 「ぜひ遊びに来て下さい」とのメッセージをもらいました。
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社会人×学生で活動するには・・・
市の団体と一緒に植生図を作ったり、ASIATOなどの学生団体とイベントを行ったりしている日野市の職員の方に、社会人と学生の協働について聞いてみました。
行政を含む社会人と一緒に活動をするには、いろんな場所に行って知り合いを作るのがおすすめだそうです。例えば、今回インタビューを行って、クリーンセンターの人と知り合ったのならば、ごみではなく水のことに興味がある場合でも、クリーンセンターの人づてに紹介して貰うことができます。
そうやって知り合いと知り合いをつないでアプローチする方が、正面玄関を叩くよりも成功率が高いとのこと。
特に、今、「環境教育」の分野では、年齢が近くフレッシュな発送を持つ学生を特に要しているそうです。 学生と一緒に活動することで、勇気をもらったり、励みになったりすることもあるとか。
真剣に考えて、頑張っていこうという意識に触発されることもあるそうです。 その一方で、学生には継続的な参加が期待しにくいことが、一緒に活動していく上でのネックの一つ。窓口になっていた学生が卒業してしまうと、協働が途絶えてしまったり、
単位が取得できると活動を終わりにしてしまったり・・・といったケースもあるそうです。 それでも市民と行政、学生と社会人、一緒に活動することで、単独では成し得ないことも実現できる可能性を秘めている、そんなことを感じました。
がんばれ!!
職員の方が若かった頃は、「環境問題」は問題として認識されていなかったそうです。
そして、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」※4が話題になり みんなが初めて注目した当時は、農薬の問題が環境問題だったとのこと。 その後、問題になったのが「不燃ごみ」。 そして、今は「地球温暖化」。
温度を人間が変えてしまうという予想も出来なかったことが今起きているのです。
農薬は使わなければ、燃えないプラスチックは作らなければ問題はなくなるけれど、 今起きていることは人間がコントロール出来ない次元にあるのではないでしょうか。 「出来ることが残されているうちに、頑張って欲しい。」 そんなメッセージを頂き、私たちは日野市を後にしました。
※4「沈黙の春」・・・1962年に出版されたレイチェル・カーソンの著書。農薬や殺虫剤などに含まれる有害化学物質の恐ろしさ、生態系への影響を公にし、環境汚染をはじめて本格的に取り上げ、世界的なベストセラーとなった。
こんな日野市の次の作戦は、「エコひいきなまちづくり」。市の所有する空いた土地を売却する際に、エコハウス※5を誘致するような仕組みを作るそうです。
※5 エコハウス・・・環境保全に配慮したり、自然との調和を重視した住宅。屋上に草木が植える、雨水をトイレの水として利用する例などがある
行政へのイメージが変わった一日でした。お互いの良さを合体した「学生×行政」の活動も増えると良いなと感じました。
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クリーンセンターの皆様、かわせみ館の皆様、どうもありがとうございました
次回のインタビューは、麻布大学「環境サークルじ〜な」10月中旬予定です
全国大学生環境活動コンテスト実行委員会事務局
- 担当:渡邉(わたなべ)・津賀(つが)
- tel: 03-3580-8284
- e-mail: support@ecocon.info

