インタビュー第七回目 安井 至 先生
今回のインタビューは、エココン2004〜2007の実行委員長を務めてくださいました、安井至先生です!「環境問題に興味を持ったキッカケ」から「エココンを通して大学生に伝えたかったこと」まで・・様々な質問に答えてくださいました。注目のインタビューです!
プロフィール
| お名前 | 安井 至(やすい いたる) |
|---|---|
| 略歴 | 元国連大学副学長/エココン実行委員長専門は無機材料化学、環境科学、産学共同研究。 現在は環境省中央環境審議会政策部会臨時委員など、務めていらっしゃいます。 |
インタビュー
Q:環境という分野に興味を持ったキッカケを教えてください!
安井先生―1977〜87年に環境科学特別研究というところの事務局に入ったことがキッカケです。 「大学における環境啓発」が目的であり、20年間で環境学を作ることが仕事でした。ただ、環境学という学問は本当のところ無いと思っています。物事を深く掘り下げるのが学問だが、環境学はそれぞれ既存の学問を繋いだ横並びの学問です。どう取り組むのか?というコンビネーションが大切なのです。
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Q:環境学の面白みは何でしょうか?
安井先生―地球の限界を考えることは、未来を読むということでもあります。地球や資源には限界があり、人間の知恵にも限界がある。限られたもの同士でこれからのことを考えると、自ずと未来が見えてきます。様々な知恵の組み合わせから未来が見えてくるのが面白いですね。
Q:環境問題を考える上で大切なポイントはありますか?
安井先生―環境問題は軸1本ではありません。例えば「省エネ(CO2削減)」「省資源」「ごみゼロ」「生態系保護」といった4軸ぐらいが環境問題を考える時に必要です。この4軸で見た時に、本当に環境に良いと言えたものは強い。これからは「本当に環境に良いとは何なのか?」「4軸のうち何本が当てはまるのか?」といったことを、きちんと考える必要があります。
続いて、エココン2004〜2007実行委員長を務めてきた中でのご意見を伺いました!
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Q:どのような思いで実行委員長を引き受けたのでしょうか?
安井先生―テレビとは違い、イベントは直接伝えられるものがある。私は、エココンの会場にいる全員に大切な何かを伝え、持ち帰ってもらいたいと思っています。それに、元々イベントのワイワイガヤガヤと盛り上がった雰囲気が好きです。人と人がつながり、一つになるのは素晴らしいことですからね。
また、活動団体のメンバーだけの自己満足で終わって欲しくないという思いもあります。そのためにエココンの発表という場を通して観客の人たちにも見てもらい、社会の中での自分達の立ち位置をはっきりと認識してもらいたいですね。 自己満足は重要だし、したほうが良い。なぜなら、自分のやっていることに対して、価値を見出すことは楽しくてどうしようもないから自己満足してしまうのです。そうしなければ何をやっても面白みが無いということになる。しかし、社会にいる大勢の人々に、自分の主張をきちんとしなければ意味がないのです。なにげない一言が、思いがけないモノを生み出すことになるかもしれませんからね。
Q:エココンを通じて参加者に伝えたかったことは何ですか?
安井―エココンはコンテスト形式を採用しているが、これには意味があります。コンテストは最終的には白黒つけなければならず、勝者と敗者が生まれる。だが、それだけで終わりにして欲しくないのです。負けた団体は「悔しい思い」をバネに上を目指すことが出来る。勝った団体も、今までやってきたことが報われ、先へ進むことが出来る。このような事はとても有意義なことだと思わないでしょうか。出場者の皆さんにはエココンの舞台を、もっと先を見据えた活動にしていくための良いキッカケを手に入れられる場だと思ってもらいたいですね。
Q:実行委員長を務めた2004〜2007を通じ、評価ポイントで変化した所はありますか?
安井先生―「素朴な活動」から「ビジネスへの結びつけ」が挙げられます。 2004・2005は地域密着型の団体が多く、評価もされていました。だが、今は単にそれだけでは高い評価は得られない。つまり、学生の環境活動が時の流れを反映しているのと同じように、審査員も自身の選考基準に社会の動きというものを反映しているのです。 しかし2006年からの人口減少、そして人口の意味でも格差社会問題が浮上してきて、地域は重要になりつつある。時の流れを反映して、これから先また評価されるのではないでしょうか。
--エココン2006、2007とメディアツールを使った啓発団体がグランプリをとっています。
安井―環境問題を『「未来」の自分自身の問題』と捉えているため、啓発型が評価されるのかもしれません。しかし、ここで気をつけて欲しい点は、「運動論・運動家」というのはその価値観だけで形成されてしまい、閉鎖的になりがちだということです。「運動・活動」になると途端に嫌う傾向もあり、運動家・活動家は長くやっているうちに世間から隔離されていってしまう。ここから一歩離脱した新しい動きが求められていると思います。
--活動範囲を広げ、多くの人を巻き込むにはどうしたらいいのでしょうか?
安井先生―居心地の良い場所・仲間を見つけたら、ずっとそこに入り浸るってことはありませんか。これは、良くないことです。いつも同じ人ばかりと接していると、多様な意見や考えに触れるチャンスが失われてしまいますからね。また、「何かやろう」思ったら、個人プレーが必要になる時もあります。しかし、安心出来る場所にいることで、「やらなくてもいいか」と消極的になることも起こりえます。ですから、積極的に動き、様々な考えを持った人と広く付き合うことで、より範囲が広まるのではないでしょうか。 また、多くの人を巻き込むには、やったことに対して得を得られるシステムを作ればいいのです。まぁ、私は環境に関することなら損でもやりますが(笑)。一人ひとり、得に対する観念は違います。ですが環境活動に少しでも関わる人たちが、「良かった」と思える得を見つけて分かち合えれば、多くの人がもっと参加してくれると思います。
Q:最後に、今後のエココンに期待することは?
安井―大人の発想ではない活動、つまり発想力のすごい、革新的な団体が出てきてほしいですね。 エココン自体も、毎年変わっていくこと自体が目的ではありません。まずは一度成熟を目指してみては?今はまだ試行錯誤の状態だが、そろそろ決まったコンセプトを持っても良いと思います。成熟というのはある意味偉大で、NHK紅白歌合戦や歌舞伎、ノーベル賞などは「偉大なるマンネリ」をやっているのです。コンセプトを左右に振って揺らしながら、だんだん固まっていき、継続する。そして、それもまた5年くらい続いたら、また変わる。この繰り返しなのではないでしょうか。 これからも発表団体や社会人の方々の意見を吸い上げ、よりよいコンテストを作り上げていってください。
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